「初心者向け:古いノートPC(10年落ち)にLinux(Ubuntu)を導入する」(近日公開予定)を進めるなかで「本筋ではないけど知っておくと便利」「特定の機種で詰まったときの対応」をまとめたメモです。
通読は想定していません。 必要な項目だけ目次から飛んで参照してください。気が向いたら少しずつ書き足していく予定。
日本語入力(IME)の設定
Ubuntu 26.04 では、インストール時に日本語を選んでも 日本語入力(IME)は自動で入りません。日本語キーボードレイアウトだけが入る状態で、漢字変換のための Mozc は別途インストールが必要です。
24.04 までとの違い: 24.04 LTS ではインストーラーの言語サポートを選ぶと
ibus-mozcが自動で入っていました。26.04 から手動インストールに変わっています。
手順:
- ターミナルを開いて以下を実行:
sudo apt install ibus-mozc mozc-utils-guimozc-utils-guiも一緒に入れます。これがないと 上部バーのアイコンが現在の入力状態(A=半角英数、あ=ひらがな等)を反映せず、今どのモードかわからなくなります。 - ログアウト → 再ログイン(または再起動)。IBus に新しい入力エンジンを認識させるため。
- Settings → Keyboard → Input Sources → + Add Input Source → 検索ボックスに
mozcと入力 → 「Japanese (Mozc)」 を選んで Add。
これで日本語入力が使えるようになります。半角/全角キー で ON/OFF(A ⇔ あ)。
Mozc の設定を変えたい場合:
ドックの 「アプリを表示」 → 「Mozc 設定」 から起動。例えば、変換/無変換キーで ON/OFF を切り替えたい場合は、キー設定の選択 を MS-IME に変更すれば Windows と同じキー配列になります。
画面が見にくい:文字を大きくする・コントラストを強くする
デフォルトの文字サイズ・配色だと読みにくいことがあります。Settings(設定)アプリで調整できます。
動線: ドックの 「アプリを表示」 → アプリ一覧から Settings(歯車アイコン)を起動 → 左サイドバー 「Accessibility」(アクセシビリティ) → 「Seeing」(視覚) を選ぶ
- Text Size:スライダーで調整
- High Contrast:ON にすると白黒の対比が強くなり、ボタン等の装飾が簡素化される。小画面で目が疲れやすい場合は試してみる価値あり
放置で自動ロックされる時間を調整したい
デフォルトだと数分の放置で画面が消え、すぐにロック画面(パスワード要求)になります。2箇所で設定を調整できます:
- 画面消灯までの時間:Settings → Power → Power Saving タブ → Automatic Screen Blank の Delay(例:
10 minutes/15 minutes) - 画面消灯からロックまでの遅延:Settings → Privacy & Security → Screen Lock → Automatic Screen Lock Delay(例:
3 minutes/5 minutes。Screen Turns Offだと画面消灯と同時にロック)
ロックまでの合計時間 = ① + ②。例えば 10分 + 3分 = 13分操作なしでロック。
すぐにロックしたい場面では Super + L で手動ロックできます。
トラブル対応:スクショやログを取りたいとき
トラブル対応で「画面の状態を記録したい」「エラーメッセージをメモしておきたい」ときに使えるやり方です。
スクリーンショット
Print Screenキー: スクリーンショットツールを起動(全画面・範囲選択・ウィンドウから撮影モードを選べる)Shift + Print Screen: 全画面を即撮影Alt + Print Screen: アクティブウィンドウのみ即撮影- 保存先:
/home/ubuntu/Pictures/Screenshots/(ファイル名はScreenshot from 日付 時刻.png)
PrtScが効かない場面: インストール後の初回ウィザードではPrtScキーが効かないことがあります(特殊なセッションで動いているため)。その場面で画面を残したいときは スマホ撮影が確実です。
ターミナルで確認するとこんな感じです。Screenshotsというディレクトリに、複数のpngファイルが保存されているのが見えます。

カーネル・システムログ
カーネルが出力するログには、ハードウェア認識やドライバのエラーが記録されています。ターミナルを開いて(デスクトップで右クリック → 「Open in Terminal」(Ubuntu 導入直後は英語表示。日本語化後は「端末で開く」)、または Ctrl+Alt+T)以下を実行:
# カーネルメッセージ(ハードウェア認識、ドライバのエラーなど)
sudo dmesg
# キーワードで絞り込み
sudo dmesg | grep -i wifi
# ファイルに保存
sudo dmesg > /tmp/dmesg.txt
# 今回の起動以降のシステムログ
journalctl -b
ライブ環境の外に取り出す
ライブ環境はRAM上で動いているので、再起動すると撮ったスクショもログも全部消えます。残したいファイルがあれば、以下のどれかで外部に移してください。
以下のどちらも、GNOME のファイルマネージャー(Files)でドラッグ&ドロップするだけです。サイドバーが見えていない場合は F9 キーで表示できます(26.04 では初期 OFF)。
- 別のUSBメモリを挿す → ファイルマネージャーのサイドバー下部にUSBが出てくるので、そこにドラッグ&ドロップ(一番手軽)
- NASがあれば、サイドバーから 「Network」 をクリック → 同じネットワーク上のサーバー一覧が表示される → 共有フォルダを開いてドラッグ&ドロップ。URLで直接アクセスする場合は、メニューから「サーバーへ接続」→
smb://ホスト名/
Realtek 8821CUチップ搭載のUSB Wi-Fiアダプターで切断が頻発する
この項目は、Realtek 8821CUチップ搭載のUSB Wi-Fiアダプター(TP-Link の USB Wi-Fi 製品などで採用が多い)を使っている人向けです。
Ubuntu 26.04 LTS(kernel 7.x)はインストール直後から標準ドライバ(rtw88_8821cu)が動いており、kernel 6.12 以降の改善で 8821CU にも対応しています。安定動作しているなら以下の手順は不要 — Wi-Fi アイコンが数秒おきに ON/OFF を繰り返す・切断ループが起きるなどの不具合が出る場合のみ進んでください。
原因: カーネル標準の Realtek ドライバ(rtw88_8821cu)の 8821CU 対応が、kernel 6.12 以降で入ったとはいえまだ不安定で、省電力制御まわりでループが起きることがあります。実機(CF-J10、24.04 時代の kernel 6.17)でも切断ループが発生し、morrownr 版で安定化しました。
解決策: コミュニティ製のチップ専用ドライバ(morrownr版)に入れ替えます。
このドライバインストールには インターネット接続 が必要です(
git cloneで GitHub からソースを取得するため)。Wi-Fi が数秒で切れる状況でも、走り終わるまでの数十秒は繋がる瞬間を狙えます。確実なのは 有線LAN か USBテザリング(スマホを USB ケーブルで PC に繋ぐ方式 — 不安定な USB Wi-Fi を介さないため安定)。Wi-Fi 経由のテザリングは結局同じ USB Wi-Fi ドライバを使うので意味がありません。
sudo apt install dkms git build-essential -y # ドライバをコンパイルするための道具一式
git clone https://github.com/morrownr/8821cu-20210916.git
cd 8821cu-20210916
sudo ./install-driver.sh
インストール後、省電力オプションも無効化しておきます:
echo "options 8821cu rtw_power_mgnt=0 rtw_enusbss=0" | sudo tee /etc/modprobe.d/8821cu.conf
sudo reboot
再起動後、切断頻度が大幅に改善しました。
参考:morrownr/8821cu-20210916 README — ドライバーの概要・rtw88との違い・インストール手順が詳しく記載されています。

